皮膚病が治らない~スキンケアの悩みパート④ ワンちゃんも入浴する時代がきた~

いよいよスキンケアのトピックもパート④まできました。みなさんご拝読いただき感謝いたします。
タイトルにもある通り、ワンちゃんも入浴する時代がやってきました!
入浴にはたくさんのメリットがあり多くの皮膚科専門医の先生方も勧める非常に有効なスキンケアになります。

でも犬で入浴ってどうやるのか。実際シャンプーより大変なんじゃないかなど様々な疑問が浮かぶかと思います。
今回は実際に入浴剤を長らく愛用しているワンちゃんにご協力いただき使い方の説明をさせていただこうかと思います。

注意
ヒトの方では入浴に伴った血圧や心拍数の変化が報告されいます。
心臓病を患っているワンちゃんで入浴を検討されている場合は皆さんのご判断で実施はせず、
必ずかかりつけの先生に相談をするようにしてください。

モデル犬:リクちゃん
犬種:シーズー
年齢:11歳3ヵ月
性格:すごくお利巧さんでフレンドリー。
既往歴:マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎

モデル犬は実は私の愛犬です(笑)

もともと頚部・四肢末端の肢間に皮膚紅斑がありアレルギー性皮膚炎を疑っていました。
詳しい経過は割愛いたしますが、アポキルに良好に反応し皮膚のかゆみ、紅斑は軽減いたしましたが自宅でのスキンケアに悩んでいました。当時は薬用シャンプーを使用していましたが、皮膚へのダメージを考慮し入浴剤に変更いたしました。

ダーマモイストバスといわれる犬・猫用入浴剤の代表的な商品です。

保湿成分としてセラミドやヒアルロン酸ナトリウムなどが含まれており非常にしっとりとした仕上がりになります。
またコメ由来のオイルなどを含んでおり、簡単な皮脂汚れなどは洗い落とすことができるため洗浄効果も期待できます。
それでは使い方になります。

まずは簡単にシャワーで毛表面の汚れを洗い流します。この時もちろんシャンプーを使う必要はありません。
毛が長い子は入浴前にブラシ掛けをもらい、余計な毛を取り除いておくとよいかと思います。

次にお風呂を作っていきます。
ぬるま湯20~30Lに対しキャップ1杯(20ml)を溶かします。
この時の注意点ですが、お湯の温度は38℃前後のぬるま湯にすることです。過去のシャンプーの仕方編でもお話させていただきましたが、熱すぎる温度はかえって皮膚にダメージを与えますので手を入れて熱くもなく冷たくもない不感温度で入浴をするのがベストです。ここでお勧めの入浴方法ですが、入浴剤の溶解量は倍量がお勧めです。保湿効果はさらに増し、より皮膚への保湿効果が高まります!

首までどっぷりとつかる必要はありません。
ワンちゃんによっては怖がってしまうので肩口の少し上くらいまでで十分です。

10分程度ゆっくり入浴してもらったら終了です。
ここで非常に大切なポイントですが洗い流さなくて大丈夫です!
お湯をある程度切ってもらいそのまま上がって大丈夫です。その後はタオルドライです!

タオルドライはシャンプーの工程でも非常に大切です。
可能な限りドライヤーをかける時間を短くするためにしっかりタオルドライをしてあげてください。
この後リクちゃんも少しドライヤーかけをしましたが2-3分程度でおしまいになりました。

以上が入浴の工程になります。
慣れてしまえばそこまで手間もかからず簡単に実施ができます。
シャンプーと異なる点として注意していただきたいことは「洗いあがりです」

仕上がりは「さっぱり」ではなく「しっとり」です。
毛の長い子ではシャンプー後のふわっとした仕上がりを期待されてしまいがちですが、入浴の場合はふわふわした仕上がりにはなりませんので注意してください。

メインは「洗う」ではなく「全身の保湿をしている」というイメージをもっていただくとよいかと思います。
入浴頻度は乾燥がひどい子であれば週2回くらい。デイリーケアとしてシャンプーの代替として使用するのであれば週1回程度からでよいかと思います。
また入浴のし過ぎがデメリットになることはありませんのでやりすぎを心配する必要はありません。

以上が入浴についてです。
いいこと尽くしの入浴ですのでチャレンジしない手はないと思います!
もしご興味があれば是非ご相談ください。

連続スキンケアのトピックを紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
また患者様よりいただいたご質問に沿い、機会がありましたらトピックを組んでみようと思っております!
お楽しみに(^^)/